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スタートアップ企業における就業規則|作成方法や押さえるべきポイント

成長途上にあるスタートアップ企業にとって、事業の拡大とともに、従業員の労働条件や職場のルールをどう定めるかは、避けて通れない課題です。

就業規則の作成は、労務トラブルのリスクを回避するうえで極めて重要です。

この記事では、就業規則がスタートアップ企業に必要かどうか、さらに就業規則に必ず記載すべき事項について解説いたします。

スタートアップ企業に就業規則は必要?

スタートアップ企業であっても、従業員を雇用する以上、就業規則は必要です。

労働基準法により、常時10人以上の労働者を雇用する事業所は、就業規則を作成し、労働基準監督署に届け出ることが義務付けられています。

この義務には、パートタイム労働者やアルバイトも含まれます。

週の労働時間が20時間に満たない労働者は、0.5人としてカウントされます。

また、従業員が10人未満の場合でも、就業規則を整備することはとても重要です。

なぜなら、就業規則は、労働条件や服務規律を明確にし、労使間のトラブルを未然に防ぐための重要なルールブックとなるからです。

特に成長途上のスタートアップ企業では、ルールがないことによる従業員間の認識のズレが、大きな問題に発展する可能性があります。

就業規則の作成方法

就業規則は、会社の事業内容や規模、働き方に合わせて作成します。

作成の際は、まず労働基準法などの関連法令を遵守することが必須です。

法令に反する内容は、たとえ従業員が同意しても無効となります。

次に、従業員の意見を聞く機会を設けなければなりません。

労働者の過半数を代表する者の意見書を添付し、労働基準監督署に届け出ます。

就業規則は、その内容が労働者の不利益になるような変更を伴う場合、原則として労働者個々の同意が必要です。

また、作成後には、従業員全員に周知しなければ、法的効力は認められません。

就業規則の効力は、労働者に周知した日以降に発生し、施行日が就業規則で定められている場合はその日、定められていない場合は労働者に周知した日が施行日になります。

就業規則の記載事項

就業規則に記載する事項は、労働基準法によって、絶対的必要記載事項と相対的必要記載事項に分けられます。

絶対的必要記載事項

絶対的必要記載事項とは、就業規則に必ず記載しなければならない項目です。

これが1つでも欠けていると、就業規則は無効になります。

具体的には、以下の事項が絶対的必要記載事項に該当します。

 

  • 始業および終業の時刻
  • 休憩時間
  • 休日および休暇
  • 交代勤務に関する事項
  • 賃金の決定
  • 賃金の計算・支払方法
  • 賃金の締切および支払の時期
  • 昇給に関する事項
  • 退職に関する事項
  • 解雇事由に関する事項

 

上記の事項は、労働者の基本的な権利に関わるため、詳細かつ明確に定める必要があります。

相対的必要記載事項

相対的必要記載事項とは、会社でその制度を設ける場合に、就業規則に記載しなければならない項目です。

これらは会社が任意で定めるものですが、定める場合は記載が義務付けられます。

相対的必要記載事項には、以下の項目があります。

 

  • 退職手当に関する事項
  • 安全衛生に関する事項
  • 臨時の賃金や最低賃金額に関する事項
  • 職業訓練に関する事項
  • 副業に関する事項
  • 労働者の費用負担に関する事項
  • 災害補償や業務外の傷病扶助に関する事項
  • 表彰および制裁に関する事項
  • 育児休業や介護休業に関する事項
  • その他全ての労働者に関わる事項

就業規則を作成するときの注意点

就業規則を作成する際の注意点として、まず法令違反がないかを徹底的に確認することです。

労働基準法などの強行法規に反する内容は無効となります。

また、事業場において適用される労働協約に反する内容も無効です。

次に、抽象的な表現を避けることです。

懲戒事由や労働時間に関する規定は、具体的な基準を設けておくことで、後のトラブルを防げます。

さらに、就業規則は、企業単位ではなく事業場単位で作成し、届け出なければなりません。

また、作成後には速やかに従業員に周知することも重要です。

就業規則の作成・変更には、労働者の意見を聞く手続きも必要です。

従業員の意見書を労働基準監督署に提出しなければなりません。

まとめ

スタートアップ企業であっても、常時10人以上の従業員を雇用する場合は就業規則の作成と届出が義務です。

就業規則がない場合、懲戒処分ができない、副業を制限できないなどのデメリットが生じるため、たとえ就業規則を作成する義務が無かったとしても作成しておくことで、さまざまな労務問題を回避できる可能性が高まります。

また、就業規則は定期的に見直し、常に会社の状態や法令の改正に対応させることが重要です。

労務関係でお悩みの際は、ぜひ弁護士にご相談ください。

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代表弁護士

大村 典央(おおむら のりお)

  • 第二東京弁護士会所属 刑事弁護委員会、裁判員センター委員会所属
  • 第三次大崎事件再審弁護団所属(日本弁護士連合会委嘱委員)
  • SBS(揺さぶられっ子症候群)検証プロジェクト所属
  • 元IPJ(Innocence Project Japan)委員
  • 第二東京弁護士会弁護士業務妨害対策委員会幹事

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